日ごろから自分の心の状態に気をつけて、いまの気分が「いつもと違う」「ちょっと変な感じがする」という点に早く「気づく」ことが大切です。
早めの「気づき」が大事なカギ
「うつ病は心の風邪」という言い方もあるように、うつ病はだれでもかかる可能性のある病気ですので、日ごろから自分の心身状態に気を配り、ちょっとしたうつ病のサインを見逃さないことが大切です。少しでも「おかしいな」と感じたら、自己チェックをしてみましょう。早期発見が早期治療・早期回復につながることは、うつ病の場合でもあてはまるのです。
うつ病のチェックリスト
以下のチェックリストで
- いつも(4点)
- しばしば(3点)
- ときに(2点)
- めったにない(1点)
で自己チェックしてみましょう。
これは実際に病院でもよく使われているものです。
- 気分が沈みがちで憂うつだ
- ささいなことで泣きたくなることがある
- 夜よく眠れない
- 最近、体重が減った
- 便秘がある
- ふだんよりも動悸がする
- 理由もなく疲労感がある
- 落ち着かず、じっとしていられない
- ふだんよりもイライラ感がある
- 自分がいないほうが皆のためと思うことがある
- 朝方にいちばん気分の悪さがある
- 食欲不振がある
- 異性に関心が持てない
- 気持ちがいつもよりさっぱりしない
- 手慣れたことも簡単にできない
- 将来のことに希望が持てない
- 判断力がなく、迷うことがある
- 自分が役に立つ人間だと思わない
- 毎日の生活に弓長りと充実感がない
- 今の生活に満足していない
うつ病判定
- 30点以下(今のところ安心)
- 31~40点(用心する)
- 41~50点(要注意)
- 50点以上(ただちに専門医を受診)
しかも、うつ病は、治療をしないで放置しておくと、どんどん症状が悪化して、とり返しのつかないことになります。早期発見でポイントとなるのが、自分の心の状態を把握することです。「ちょっと変な感じがする」「落ち込み方がこれまでと違う」といったことに、自分で気づくことが重要なのです。
また、うつ病が重くなってくると、いわゆる「病識」がなくなってきますので、その意味でも軽いうちに異変(異常)に気づくことが大切です。
うつ病の症状は実にさまざまです。その多様な症状に加え、神経症など、よく似た症状を示すほかの病気もありますので、自分でうつ病かどうかの判断をすることは、実はそれほど簡単ではありません。また、症状が軽いときには、自分自身ではなかなかその異変に気づくことはむずかしいものです。
まして、ちょっとよくした気分の落ち込みや抑うつ感などは、それまでも日常生活の中で何度も経験していることですから、まさかそれがうつ病によるものだとはなかなか思い至らないのです。そのために、放置してしまい、こじらせてしまうケースも少なくありません。
それだけに、そうした気分の落ち込みや抑うつ感が「これまでとは違う」ということに、早めに気づく必要があるわけです。そこで、うつ病なのか、そうでないのかを、自分で判断するひとつの目安として、「うつ病の自己チェック」があります。ちょっとでも「おかしいな」と感じたら、この自己チェックで、いま自分がどれだけうつ状態に陥っているかをはかってみましょう。
この場合に留意する点としては、表にもあるように、そうした気分が「いつまでも続く」のか、それとも「ときどきある程度」なのかということです。
また、うつ病の症状の特徴といわれるにちないへんどう「日内変動」があるかどうかも目安となります。表の項目にもありますが、「朝方にいちばん気分の悪さがある」という「やる気」が出ないかどうかも、重要な点です。うつ病では意欲面においても障害が出ますので、やる気が出ない状態が1週間以上も続くようであれば、注意が必要でしょう