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最近、イライラし怒りっぽくなったと感じる人(カルシウム)

現代社会はストレス社会です。時間に追われ、仕事に追われる毎日です。イライラしたりカリカリしたり、それを指摘されてさらにイライラ…という悪循環です。

いつも思うのは「もう少し時間があれば」そんな風に思ってしまうのも当然かもしれません。ところが私たちが本当に必要としてのは時間ではなく「カルシウム」かもしれません。

カルシウム チェック

  1. ちょっとしたことで体が疲れやすい
  2. 瞼がピクピクと痙攣することがある
  3. 最近、怒りっぽくキレやすい
  4. なんとなく仕事にやる気がでない
  5. 夜の寝付きが悪い
  6. 肩こりや腰痛がある
  7. 筋肉痛やこむらがえりが多い
  8. 頭痛が多い
  9. 虫歯が多い
  10. インスタント食品をよく食べる

カルシウム不足 判定

  • 該当数が2個以下
    心配なし
  • 該当数が3~4個
    要注意
  • 該当数が5個以上
    危険領域

骨以外にも活躍するカルシウムは体の潤滑油

カルシウムの働きは多彩

カルシウムは、五大栄養素のひとつミネラルに籍を置く、私たちの身体に不可欠な栄養素。体内には、成人で体重の約2%前後のカルシウムがあり、その99% はご存じの通り、骨や歯を作っています。残りの1%はというと、血液や筋肉、神経内に溶け込んでいて、実はこの微々たる1%が、とても重要な働きをしているのです。

こんな働きも

微量ながらも侮れないのが、わずかに血液や組織内に含まれるカルシウムです。実は、この1%のカルシウムには、まず第一に、神経の苛立ちを抑えるトランキライザー= 精神安定剤としての働きがあり、マグネシウムとともに緊張や興奮を緩和してイライラを解消する役割を担っています。
さらに、筋肉を収縮させて、心腹を規則正しく活動させるという重要な働きも持っています。いわば、この1%のカルシウムは身体の潤滑油。人体という車が正常に走り続けるためには、なくてはならないものなのです。

カルシウムが切れると人間もキレる

人体内でのカルシウムの活動は、すべ1% のカルシウムが行なっていますが、摂取量が少なく、血中カルシウムが不足してくると、血中カルシウム濃度を一定レベルに保とうとして、貯蔵庫である骨から、急いでカルシウムが血液中に放出されます。

ですから、慢性的なカルシウムの不足状態が続くと、骨のカルシウムは次第に失われ、骨がもろくスカスカな状態になってしまうのです。そしてこのことが、骨粗鬆症や肩こり、腰痛などの病気や症状を招きます。また、先にお話したように、カルシウムはトランキライザーの働きをしてるほか、マグネシウムとともに筋肉や心臓の働きにも関与しています。
そのため、不足するとイライラ、怒りっぽいといった症状から始まって、マグネシウムとのバランスが崩れると、最悪の場合には心筋梗塞や脳梗塞など、突然死に至る病気を引き起こすことさえあります。

日本人は慢性的なカルシウム不足

厚生省が行なっている栄養調査を見てみると、過去加年間に日本人の平均的カルシウム摂取量は、一度も所要量(600mg)を満たしたことがありません。どうしてこれほど摂取量が少ないのでしょう。
その理由には、以下のようなことが考えられています。

  • 酸性の土壌
    日本は火山国でもともと土壌に含まれるミネラル分が少ない。
  • 乳製品の摂取が少ない
    カルシウムの宝庫である乳製品が日本に入ってきたのは明治時代と遅く、香り、味ともに苦手な人が多い。

このような理由から、日本人は慢性的にカルシウム不足の傾向にあります。カルシウム不足は日本全国民の重点課題です。自らの健康維持のために、今こそカルシウム不足克服に立ち上がりましょう!

骨粗鬆症とは

骨租紫症とは、骨の構成成分であるリン酸カルシウムが沈着せず、骨の密度が減り、中身がスカスカで折れやすくなる病気です。従来は、骨租寿症というと50~60代の女性や高齢者がかかる病気だと思われていましたが、最近では若い女性や子供の間にも広がりを見せているといいます。
近年、食生活が欧米化したことにより、日本人はミネラルの宝庫・海の幸を食べなくなったこと、またストレスによってカルシウムを排泄しやすい環境にあることなどが、その要因として考えられます。
カルシウムの吸収を妨げるもの

イライラも骨粗鬆症もさよなら!カルシウム不足を徹底解消

カルシウムの1日の必要量

カルシウムの貯蔵庫である骨には、大きく分けて成長期、安定期、減少期の3つのステージがあります。

  1. 成長期
    縦方向への骨の成長が盛んな時期。丈夫な骨を形成するために、カルシウムをどんどん骨に貯蓄してやらなくてはなりません。
  2. 安定期
    縦方向への成長はストップするものの、骨密度の変化は続く時期。カルシウムの収支のバランスを適度に保つ必要があります。
  3. 減少期
    もはや貯蓄が効かなくなって、カルシウムが流出する一方の時期。貯蓄はできませんが、支出をカバーするために、多くのカルシウムを必要とします。

このように自分が今どの時期にあるかでカルシウムの所要量はかなり異なってきます。不足攻略にあたって、まず正確に自分の所要量を確認しておきましょう。

カルシウムの1日の所要

成長期
  • 幼児(500mg)
  • 小学生(700mg)
  • 中・校生(900mg)
安定期 20~30代(600mg)
減少期 40代以降(600~800mg)

該当数が5個以上の危険領域の人 骨密度の測定

危険領域の人は、深刻です。重度のカルシウム不足、かなり危険な状態です。この状態が長く続くと、骨が弱くなっていって、ポッキリいくばかりか、燃料切れとなってエンスト= ポックリ逝ってしまう可能性も。そんな最悪の事態を招かないよう、まずは「骨密度検査」を受けましょう。
「骨密度検査」は、整形外科や保健所で行なっています。検査を受けることで、結果によっては、カルシウム不足への危機感が芽生えるとともに、今後の生活習慣の指針も立ちます。

食生活の見直しと改善

カルシウム不足解消のためばかりでなく、健やかな身体を保つために一番大事なことは、規則正しく、バランスのとれた食生活を送ることです。

  • 1日3食、欠食なく食べる
  • 偏食しない
  • 加工食品はできるだけ少なくする

当たり前のことですが、忙しい現代人には、なかなかこれができている人は少ないようです。自分の食生活を一度振り返ってみて、改善すべき点は、即改めましょう。
インスタントスープなどの加工食品に多く含まれるリンは、カルシウムの2~3倍量を超えて摂るとカルシウムの吸収を抑制します。

カルシウムは効果的に摂取する

不幸にも危険領域の中に入ってしまった人の中には、「普段、カルシウム補給には人一倍気を使っているつもり…」とお嘆きの方もいるかもしれません。実はカルシウムは、ただやみくもに摂ってもダメ。しつかり身体に吸収させるには、ちょっとしたコツがあります。

  • 吸収のよい乳製品・小魚で多く摂る
    食品に含まれているカルシウムのすべてが身体に吸収されるわけではありません。カルシウムは食品によって吸収率が違いますから、吸収されやすい形のものを摂るか、または吸収率を計算に入れて、多種類からカルシウムを摂るようにします。
  • ビタミンDとマグネシウムを併せて摂る

  • ビタミンDとマグネシウムは、カルシウムをより効果的に吸収するための強力な助っ人。
    Dはカルシウムの吸収率を上げ、血中のカルシウム濃度を維持し、骨形成を助けます。またマグ、不シウムは、カルシウムの骨沈着に貢献すると同時に、カルシウムとともに精神安定剤として活躍します。ちなみに、カルシウムとマグネシウムは、2対1で摂取するのがベストバランス。海草の王者ひじきは、1品でこのベストバランスを見事に備えた理想的な食品といえます。

該当数が3~4個の要注意領域の人「ちょっと油断すると要注意領域」へ

このカルシウム不足チェックについては、要注意の人も、危険信号の人も同等の危険度があると考えるべきでしょう。危険信号の人の項に従って、まずは最寄りの保健所で骨密度検査を。そして、生活習慣と食生活を見直しましょう。

また、気をつけたいのが晴好品の類です。喫煙者、コーヒー摂取量の多い人に骨密度減少の発生頻度が高いというデータも報告されています。
これらの嗜好品は、できればやめるにこしたことはありません。それができない人もほどほどにすることです。骨密度の減少により、骨、血液、細胞内に存在するカルシウムのバランスが崩れれば、それが重大な疾病を招くことにもなるのですから。

心配なしの領域の人

近年、骨粗鬆症などが大きくクローズアップされ、カルシウム不足解消に真剣に取り組む人も増えてきました。現在は、心配ない人も、そんなカルシウム不足に危機感をもって対処している人かもしれません。

今現在、不足解消にすでに取り組んでいる人は、是非その努力を続けましょう。「継続は力なり」です。カルシウム不足解消の一番の鍵は、まさにコレです。普段から地道にコツコツとカルシウムを積み立てておくことが、将来、スカスカやポックリといった危険から身を守ることにつながるのです。