疲れ がとれない 体のサイン にはどんなものがあるのでしょうか。疲れがとれないときには、疲れを感じる前に体がサインをだしています。そのサインを見過ごさないようにすれば、疲れは案外簡単に抜けるものです。
疲れ がとれない 体のサイン
疲れがとれない、というのは、身体と心からの大切な「休みなさい」というサインです。
休息や睡眠を十分にとっているはずなのに、なかなか疲れが抜けない場合に現れやすい体のサインを、身体的なものと精神的なものに分けてご紹介します。
身体的なサイン(体の不調)
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強い疲労感・倦怠感
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休息しても改善しない、あるいは朝から体が重く、一日中だるい。
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軽い活動をしただけで、すぐに疲労感が増す。
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睡眠に関する問題
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寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める(不眠)。
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長時間寝ても寝足りない感じがする。日中に強い眠気を感じる(過眠・日中の眠気)。
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体の痛み
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肩こりや腰痛が慢性化している。
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原因不明の筋肉痛や関節痛がある。
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頻繁に頭痛がある。
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自律神経系の乱れ
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めまいや立ちくらみがする。
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動悸や息切れがすることがある。
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手足の冷えや、寒がりになったと感じる。
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消化器系の不調
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食欲が著しく低下したり、逆に過剰になったりする。
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胃もたれ、吐き気、腹痛、下痢、便秘など消化器系の不調が続く。
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その他
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顔や手足のむくみ(特に夕方)。
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風邪をひきやすく、治りにくい。
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目の疲れ(眼精疲労、乾燥)。
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精神的・認知機能のサイン(心の不調や集中力の低下)
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意欲の低下・やる気が出ない
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何もする気が起きない、面倒くさくなることが多い。
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趣味や楽しみを感じなくなる。
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感情の不安定さ
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イライラしたり、わけもなく気が滅入ることが多い。
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不安感や憂鬱な気分が続く。
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認知機能の低下
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集中力が続かない、思考力が低下したと感じる。
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物忘れがひどくなる、ケアレスミスが増える。
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特に注意が必要なサイン
これらのサインは、単なる一時的な疲れではなく、慢性疲労や何らかの病気(心不全、甲状腺機能異常、糖尿病、自律神経失調症、うつ病など)が原因となっている可能性も考えられます。
「しっかり休息・睡眠をとっているのに疲れが取れない」、「日常生活に支障が出るほど症状が重い」といった場合は、我慢せずに医療機関(内科、心療内科、疲労外来など)に相談することが大切です。
慢性化した疲労が体に及ぼす悪影響
慢性化した疲労(慢性疲労)は、単に「だるい」という感覚にとどまらず、全身のシステムに悪影響を及ぼし、様々な病気や心身の不調を引き起こす原因となります。
特に、自律神経系、免疫系、内分泌系(ホルモン)など、体を維持する重要なバランスを崩してしまう点が大きな問題です。
慢性疲労が体に及ぼす悪影響
1. 免疫機能の低下と感染症リスクの増大
長期間の疲労やストレスは、免疫細胞の働きを弱めます。
- 感染症にかかりやすくなる: 風邪やインフルエンザ、ヘルペスなどにかかりやすくなり、一度かかると治りにくくなります。
- アレルギー・自己免疫疾患の悪化: 免疫機能のバランスが崩れることで、アレルギー症状が悪化したり、自己免疫疾患の発症や進行を招く可能性があります。
2. 自律神経系の乱れ
疲労が慢性化すると、交感神経(活動・緊張モード)と副交感神経(休息・リラックスモード)の切り替えがうまくいかなくなります。
- 睡眠障害: 夜間に交感神経が優位になりすぎることで、不眠(寝つきが悪い、熟睡できない、早朝覚醒)を引き起こします。
- 身体症状: めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息苦しさ、体温調節の異常(冷えやほてり)など、様々な不定愁訴が現れます。
- 消化器系の不調: 胃酸の分泌や腸の動きが乱れ、胃痛、胃もたれ、便秘、下痢などを引き起こします。
3. 内分泌系(ホルモン)の異常
ストレスが続くことで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が乱れます。
- 血糖値のコントロール悪化: コルチゾールの影響で血糖値が上昇しやすくなり、糖尿病のリスクが高まることがあります。
- 甲状腺機能の低下: 疲労によりホルモンバランスが崩れ、甲状腺機能の低下を招き、さらに強い倦怠感やむくみを引き起こす悪循環に陥る可能性があります。
4. 精神面・認知機能への影響
体だけでなく、脳にも悪影響を及ぼします。
- 抑うつ・不安: 常に疲れた状態が続くことで、気分が落ち込み、抑うつ状態や不安障害を発症するリスクが高まります。
- 認知機能の低下: 集中力、記憶力、思考力が低下し、仕事や日常生活でミスが増えたり、物事を決断できなくなったりする問題が生じます。
5. 筋肉・循環器系への影響
- 慢性的な痛み: 疲労物質が蓄積しやすくなり、肩こり、腰痛、全身の筋肉痛が慢性化します。
- 生活習慣病のリスク: 運動不足や食生活の乱れが重なり、高血圧、脂質異常症、肥満などの生活習慣病のリスクが高まります。
慢性疲労のサインが見られた場合は、根性論で乗り切ろうとせず、適切な休息や生活習慣の見直し、必要に応じて医療機関への相談を検討することが重要です。
